メドラッド

メドラッド(Medrad) ゴリランダー♂

「俺は……多分、歴史学者をしてたんじゃあないかと思うんだ。歴史も好きだしな。──あぁ、それより俺の名前だったか、ごめんな。メドラッドだ、宜しく」
「旅は道連れ、世は情けというし、一緒に来るかい?歓迎するよ」
「アシィールとルジーニャを引き取ったのは俺だから……まぁ、確かに‟パパ”か。騎士の末裔に歴史学者に未婚の父は、確かに属性過多だな。これはさすがにロローに反論できない」

おっとり(イタズラがすき)
年齢 / 30代前半
身長 / 189㎝
一人称 / 俺
他称 / キミ、お前、貴方

年相応の落ち着きと、打ち解けた相手には小さないたずらを仕掛けるような茶目っ気を併せ持つ青年。
案外ユルい性格と、意外な器用さで大体のことは「何とかなる」と乗り切ってしまう。
何故だか成人以前の記憶がすっぽり抜け落ちており、いわく「歴史学者だった気がする」と学者を名乗るなんとも危なっかしい一面も。
おおらかで慌てることは滅多になく、常に自己ペースを崩さず、とりあえず興味が向けば迷わず関わる。距離感の取り方が絶妙。

名乗る肩書はともかくとして、彼自身は情に厚く、懐も広い。
旅中で出会った孤児の少女に手を差し伸べ、やがて親子のような関係になっていったり、
迷い込んできた幼子を、これも縁だろうと育てたり。
自分の居場所を探している女性に、良かったら一緒にくるかと誘ってみたり。
危なっかしい一面を見かねた青年×2が付いてきたり。
若干の人たらしの気質を見せつつ、気付けば一つのパーティを構成するリーダーになっていた。

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そんな彼が旅を始めたのは、一族ぐるみで縁のある、ガラル地方の王者によって現在のパートナーの人間の元に導かれたのが切っ掛け。
そしてその人間の少年と迷い込んだまどろみの森で出会った、霧を纏う狼との出会いを境に、彼の運命は動き出す。
記憶が飛んだ時よりも、希少な文献を見つけた時よりも、強く心を揺さぶる衝動に、彼は少年に願うのである。
「あれの正体を知りたい」と。
かくして、彼はガラルの地を旅することになった。

失くしていた記憶と、その血筋について

自らの先祖、及び一族が、盾の王、剣の王に仕え、共に戦った騎士であったという事実。
また、メドラッド本人にその自覚はないが、彼だけはその騎士の魂が転生した存在でもあった。
ガラルの歴史に対して強い関心を持ち、研究していたのは事実だが、残念ながら、記憶を亡くしていた間に名乗っていた「歴史学者」ではない。
独学で進めていた研究や、彼自身の知識は趣味の範疇を越えるほどであったが、公的な肩書きを得るまでには至っていなかった。(逆に言えば、学者だったのかもしれない、と考えるほどのものだった)
それでもその深い知識は、記憶を辿る旅で、彼を盾の王、スヴェルの元へと導いた。

また、彼と彼の一族は、その昔、二人の王によってそれらの記憶を失くす<まじない>をかけられた事で、王達と再び相まみえるその日まで、不自然に、けれど違和感も持たず、関連する事全てを忘れさせられていた。
<ブラックナイト>との戦いで大きく傷ついた王達は、回復のため、永い眠りにつく。遺される騎士達が、王の事など忘れ、思うように生きられるように。と、王は全てを忘れるまじないを彼らに遺した。
それでも彼らは細々と遺る、「自らの一族は地方の守護を担っていた」という記録に従い、今でも地方を様々な側面から守護している。
メドラッドも例に漏れず、幼い頃から騎士としての研鑽は欠かさなかった為、ところどころに育ちの良さが窺え、腕っぷしもなかなかのものである。

実際に王と相対し、記憶を取り戻した現在は、王の現代での活動を支えながら、地方の状況を見て、改めて学者を目指してみるのも有りかとも考えている。
現状草御三家の家を継ぐのは彼となっているが、あまり家を継ぐつもりはない様子。

旅の仲間について

アシィール:アシィール、アシィー
預かり屋にて、置いて行かれ、持て余されていた孤児であった彼女を引き取る。
最初に顔を合わせた時、彼女の表情は、威嚇していながら、何かに縋る目、に見えた。
「一緒に来るか?お嬢さん?」
時に彼女の毒で片手に大火傷を負いながらも、少しずつ心の距離を縮めていった。
今では立派に大事な娘。

ロロー:ロロー、ロロすけ
旅で一番最初に会った相手。
自分を知ったような素振りで話しかけられ、もしや知り合いなのを忘れている?と思っている内に強引に同行を要求されたが、一人旅よりは、と相変わらずの緩さで承諾。
後に知り合いではないが、相手が様々な理由で自分を一方的に知っていたのを知らされるものの、へぇ、で済ました。少しは不審がってくれと怒られた。
ここまで自分は真面目になれない、若いのにしっかりしているな、と感心している相手。

ヘシェト:ヘシェ
人として尊敬する対象。一度だけ伝えたところすごい勢いで謙遜された。
彼が加入してから食事の質が劇的に向上したり、育児のコツを伝授されたので、子供たちが健やかに育ったのは彼のお陰だと思っている。
現在では大人同士の貴重な相談相手で飲み仲間。

ルジーニャ:ルジーニャ、ルジー
加入時期はアシィールと大差ないが、こちらはまだまだ幼児で、疑似育児を経験することに。結果的にこちらも大事な息子。
多分何か言いたいことがあるのだろう、と育ての親なりに察しているが、本人が言い出すまではそっとしておくつもりでいる。
自分に似てイタズラ好きに育ってしまったので矯正を試みている最中。

フレゲーラ:フー
旅の途中で唯一自分からスカウトした女性。
彼女が無茶をしたときは、心配のあまりに自分でも驚くほど怒ってしまった。
しっかりしている割に、生い立ちから世間知らずの彼女の事を気にしては、大丈夫ですよと笑われている。
彼女と娘のアシィールが姉妹のように仲良くしてるのを見ていると幸せになる親馬鹿である。

スヴェル:盾王、スヴェル様
ユルい割にはスヴェルとの主従関係には生真面目な様子を見せ、スヴェルの方が妙に距離が近いのに首を傾げている。
主従関係であったのは先祖であるため、畏まる必要はないと言われているものの、家系単位で彼等に仕えている為、そう言われても…と困っている。時たまかけられる意味深な言葉にも「なんだこの人」とまで思うほど。
スヴェルの持つ「地方の守護」という使命に協力しており、その対価に聞かされる歴史の話を聞くのが楽しみ。
王と従者の距離を上手く保ちたいものの、己の事には無頓着なスヴェルをどうしても構ってしまう。

自身の魂が、過去にスヴェルにとって大きな存在であったことは全く知らなければ、記憶もなく、スヴェルもまたそれを語るつもりはない。
ただ、微睡みの森でスヴェルを見た時に感じた、酷く焦がれるような衝動を忘れられないでいるのも事実。
メドラッドの中では深層心理が記憶を求めた結果だとしているが、さて。