エルセナ(Elcena) モスノウ♂
「名前? 親しくもない相手に教えたくない。モスノウで十分でしょ」
「……エルセナ。オレの名前。 理由があっても、失礼な態度とってごめん」
「雪原。……カンムリの雪原に行きたい。連れてってくれるなら、王様に協力する」
「っ、ほっとけよ……っ、ひっく、どうせ泣き虫だよ……ッ、悪いか……!」
臆病(物音に敏感)
年齢 / 14歳
身長 / 155
一人称 / オレ
他称 / お前、アンタ
臆病で強がりで、隠しているけれど泣き虫な少年。
生まれも育ちもキルスクの入り江で、街の周辺にはとても詳しい。
口を開けば達者な物言いで、実力も大人並だが、それ以外は感情豊かで顔に出やすく、素直になれないお年頃。
強気な姿勢の割に、初めて見る人(物)には警戒心が丸出し。
感情が昂ると泣きながら逆ギレするので、少々扱いにくいと思いきや、一度気を許せばすんなり転がるチョロい一面も。
種族柄食が細く、筋肉が付きにくいのが悩み。
容姿だけは整っており、実は声変わりもまだなので、少女に間違えられることもしばしば。
この見た目で色々と不利益を被ったことも少なくないようで、容姿にや声などの言及には露骨に不快感を表す。
幼い頃から、たびたび見た記憶のない冠の雪原を夢に見ていたようで、郷愁にも似た強い憧れを憧れていた。
それでも根っこが臆病で行動に出れないでいるところを、彼の力を認めた盾王に勧誘される。
溢れた粒子を何とかしたいという王に、雪原に連れて行ってもらう条件で力を貸すことを決めた。
エルセナ自身も、彼の親祖父母も知らないが、雪原を夢に見ていたのは、実は彼の祖先が雪原に住んでいた雪蛾の一族であることに由来する。
遠い昔、バドレックスによる統治を失った雪原を、レイスポスが蹂躙し始めた時、彼の祖先は『豊穣の王を覚えている者』を遺す為に雪原を離れ本土で暮らし始めた。
事実、エルセナの一族にはバドレックスという豊穣の王が存在し、実りを齎すという伝説が寝物語として語り継がれ、それをまるっと暗記していたエルセナにより、盾パはより正確なバドレックスの伝説を得ることができた。
つまりエルセナが夢に見ていたのは遺伝子に刻まれた故郷の記憶だったということになる。
とはいえ少々誇張した夢だったようで、実際の雪原は想像よりも田舎で肩透かしを食らったようだ。
それでも小さな頃から冠の雪原にいくのが夢だった為、現在ではその願いが叶ってしまい、とりあえず雪原での暮らしと本土での暮らしを交互にしてみている。
都会との差に戸惑ったり、雪原に残っていたモスノウ達とは遠い親戚であるので親しくしたい気持ちもあるようだが、なかなか上手くいかない様子。