フレゲーラ(Flegayla) マルヤクデ♀
「フレゲーラという名を頂きました。これからお役に立てるように頑張りますね。……スタジアムと印象が違う、ですか?スタジアムは”試す”場所です。ですから、私もあの場所では相応の振る舞いをしています」
「え!?あ……、これは、見送ってくれた先輩が用意してくれた服で……変でしょうか……?」
「だって私には、”これ”しか、ないから……!!」
穏やか(物音にびんかん)
年齢 / 10代後半
身長 / 163㎝
一人称 / 私
他称 / 貴方
エンジンシティのスタジアムで試練に従事していた女性。
スタジアムへ挑戦しに来た現在の主人に、引き抜かれる形で一行に加入した。
ストイックかつ、整った顔立ちをしており、そこに研ぎ澄まされた戦いの技術が加わり、近寄りがたい雰囲気を持っている。
……というのが、スタジアムで出会ったときの彼女。
実際の彼女は、強気に見せた表情は、スタジアムという場所で挑戦者に緊張感を与えるためのものであり、また彼女なりに役目を全うするために考えた処世術。
本来は穏やかで内気な心優しい性格で、更に言えば街の外に出たことがない箱入り。
外に出ることを考えたことすらなかったようで、旅中では見るもの全てに感心を示すものの、内気な面が影響してか、普段は一行に付いて回るようにして、後でひっそりそれらを調べている。
外の世界には明るくないが、そうして調べものをするのは嫌いではなく、「あれは○○ですね」と意外なことを知っていることも。
そんな彼女はしっかりしてはいるものの、メドラッドやヘシェトのような世話焼き達が構わずにいられる筈もなく、ヘシェトに至っては「お母さんみたいです」と言ってしまって微妙な顔をされている。
実際フレゲーラも彼には懐いており、料理や街の外の歩き方を教わったりと、同じ地方に従事していた炎タイプ同士気が合う様子。
彼女は最初、とても怖がりだった
元々彼女は、迷子の小さなヤクデだった。
親の見当たらない状態で、瀕死の彼女が運び込まれたのは街の回復施設。
まだ一人で生きていけない程に小さかった彼女を引き取ったのは、その街のスタジアムを切り盛りするヒトの男性だった。
男性は、彼女がいずれ良い仲間と出会える事を願って、自身のスタジアムの戦力として迎え入れ、彼女も役に立ちたいと努力した。
元来の内気な性格は、努力のなかで凛々しさに変わり、そこには強くストイックな女性がいた。
男性の願いもむなしく、彼女の仲間になってくれる者はなかなか現れることなく、強くなった彼女は持て余され、結局いつも、男性の元に帰ってきた。
男性はいつも笑顔で出迎え「次は大丈夫」と言ってくれたが、なかなか旅立てない事実に、彼女は「自分は必要とされないんだ」という諦念のようなものから、スタジアムに従事するという自分の役割に固執する様子すら見せ始める。
その最中、彼女はとある一行に出会う。
挑戦者に合わせて戦い方を調節できる程になっていた彼女は、試練のルールに則って捕獲されたあと、疑問を抱かれる。この子は捕まえて良かったのか?と問いに戻った一行に、彼女は「またダメなのかな」と耳を塞ぐ。
男性は「勿論。その子を仲間に加えてくれると嬉しい」と送り出した。しかし彼女はそれを聞いていなかった。
とうとう男性が出迎えてくれなくなった、と。彼女は恩師に絞り出したお礼を告げて、自身の新しい「従事先」に有益であれる様にとがむしゃらに努力した。
外の世界はとても彼女の興味をひいたけれど、仕方なく受け入れられたと感じていた場所は、引け目ばかりでどうしようもなかった。
そして、場所を変えて初めての”敗北”を確信したとき、必要とされなくなる、という恐怖が爆発した。
自分には戦いしかないのだと、自爆覚悟の大技で、彼女は自分自身すら傷付けてしまう。
運び込まれた回復施設で、何を考えていると怒られて、やっと彼女は胸の内を吐き出した。──と、同時に、自身の勘違いをようやく知った。
誰も仕方なく迎え入れてなんかいないよ、と。彼女を気遣う仲間達の嘘のない言葉に、ようやく彼女は、自分は居場所を見つけていたのだと気付く。
出生について
幼かった彼女の両親は、ずっと彼女を探していた。
けれど、ヒトに保護された彼女を見つけられることはなく、母親の女性は諦めてしまった。
だからこそ母親は、自分のように我が子とはぐれる者を二度と出すまいと、獣の領域全てを管理する事を選んだ。
“適合者”である母親の女性は、そうして今も、広大な大地の沢山の者を配下にし、秩序を保つのである。
その母親と、実は既に再会していたのだと、ある時フレゲーラだけが気付く。
母親と呼んでいいものか、そして本当にこの人がお母さんなのか。
そんな親子が再び本当の意味で再会できる日は、実はもうすぐそこまで近づいていて。
旅の仲間について
メドラッド:メドラッド様
元の認識は雇い主、今では仲間で上司と言ったところ。
心配してくれるのは嬉しいが、ちょっと過保護かな、と思っている。
暴挙に出たときの激怒っぷりにこんなに怒る人なのか、と本気でビックリした。
自分を迎えてくれたのがメドラッドが率いる場所で良かったと思い、安心して自分を任せられる人だと信頼している。
アシィール:シィちゃん
自分を肯定して慕ってくれる妹のような存在。実際にはアシィールが彼女をひっぱっているので姉かもしれない。
強い彼女に憧れ、数少ない女の子同士、特に親しくしている。
フレゲーラが行きたそうにしている場所を察してアシィールがひっぱっていき、人見知りしてしまうアシィールに助け船を出すのがフレゲーラ、と。そういう補い合う仲でもある。
ロロー:ロローさん
この中で唯一最初から顔を知っていた人。同じようにガラルに従事する者同士、考え方が似ているのか、意見がよく合う。
それでも最初は「お仕事はどうされたんですか?」「休業中」とそっけない返事を返されて苦手だった。
今ではルジーニャの子分にされている様子を見せられて目を白黒させてみたり、振る舞いがなんとなくスタジアムにいたときの自分自身と重なってシンパシーを感じている。
ヘシェト:ヘシェトさん
お母さん……じゃなくて先生。色々なことを教わっており、人に紹介するときは「皆のお母さんみたいな人で、私の先生です」と言ってしまうことも。間違ってはないが苦笑はされる。
誤解していた間もヘシェトの事はよく頼っていて、以降たまに異性であることを忘れているような行動も。ヘシェトも別段気にしていないので、ロローとアシィールがツッコミに回るという光景がよく見られる。
ルジーニャ:ルジーニャくん
メドラッド様の息子さんで、ロローくんの親分さん。
進化の際に彼がされた荒療治が他人事ではなく、その気持ちに同調して以来、懐かれている。荒療治のときも本気で反対した様子。
アシィールが弟として接している姿を見て、兄弟がいたらこんな感じなのかなぁ、と少し羨しそうに見ている相手でもある。
引き取ってくれた男性:おじさま
恩師。手放されたと思ったときは悲しかったけれど恨みはしなかった程度に感謝している。誤解が解けた今は時々会いに行っている。
スタジアムでは先輩にも恵まれたようで、実を言えば離れがたいほど居心地が良かった。
生まれた場所も知らぬ彼女にとっては故郷同然の場所。
※エンジンスタジアムジムリーダーの公式キャラのあの男性になります